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物流の仕分けシステムとは?システム化するメリット・デメリットとあわせてシステムの種類も解説!

物流業界において、商品の仕分けは効率的な運営の鍵を握る重要なプロセスです。

従来は、手作業によって仕分け作業が行われていましたが、システム化することにより、業務効率の向上やコスト削減が期待できます。

本記事では、その物流の仕分けシステムについて詳しく解説していきます。

物流の仕分けシステムとは

物流の仕分けシステムとは、物流倉庫内にある商品を、種類や発送先別などの決められたルールによって分類していく仕組みです。

物流業界における仕分け作業は、商品が消費者やビジネスパートナーに届くまでの重要なステップになります。これまでの仕分け作業は、主に手作業で行われており、人的ミスや長時間労働など、さまざまな労働問題を抱えていました。 

しかし、最近の技術革新により、仕分け作業をシステム化するシステムが登場し、業務効率の向上やコスト削減が期待されています。

仕分けをシステム化する物流センターの種類

仕分けをシステム化している物流センターの種類を見ていきましょう。

それぞれのセンターは、特定の物流プロセスを担い、以下のように最適な仕分けシステムが導入されています。

プロセスセンター(製造型)

プロセスセンター(略:PC)とは、通常店舗において行われる食品の仕入・加工・配送をまとめて行う工場のことです。主な作業内容は、肉や魚といった生鮮食品の計量や加工、パック詰めにラベル付けなどになります。そのため、コンビニやスーパーといった食品関係が取引先の主体です。外食産業では、セントラルキッチンとよばれることもあります。

最終納品先(スーパーや飲食店など)に合わせた対応が求められるため、高度な柔軟性が必要で、適切なタイミングで商品を供給する必要があります。そのため、プロセスセンターに導入されている仕分けシステムは、製造ラインのニーズに応じて迅速かつ正確に商品を振り分け、製造効率を向上させるタイプです。

トランスファーセンター(通過型)

トランスファーセンター(略:TC)は、物流の中継拠点として機能するセンターで、在庫を持たずに商品の発送や仕分けが行われる場所です。主に、積み替えのための通過地点として利用されており、別名を通過型流通センターともよばれます。

トランスファーセンターでは、多様な商品を迅速かつ正確に仕分ける必要があるため、利用されている仕分けシステムは、多くの商品を一斉に処理し、配送先ごとに最適な経路に振り分けます。そのため、配送効率や品質の向上を期待することが可能です。

ディストリビューションセンター(在庫型)

ディストリビューションセンターは、商品の保管から配送までを行える物流センターです。保管設備があるため、施設規模が大きいのが特徴で、商品の保管期間は長期になります。ディストリビューションセンターでは、在庫管理が重要なポイントです。

必要に応じて迅速に商品を出荷することが求められるため、活躍している仕分けシステムは、在庫商品の効率的な管理とピッキング作業の迅速化が期待できるものになります。

仕分け作業を効率化する仕分けシステムの種類

仕分けシステムには、さまざまな種類があり、物流センターの特定のニーズに応えて導入します。ここでは、代表的なシステムについて詳しく解説します。

DAS(デジタルアソートシステム)

DASは、バーコードやRFIDタグを用いて商品を識別し、デジタル表示に基づいて仕分けを行うシステムです。商品の認識と仕分けを同時に行うため、在庫管理や作業効率の向上に努めます。

DASによって、仕分け作業時に商品と数量がわかりやすく表示されるので、仕分けミスの軽減だけでなく、ペーパーレス化も実現可能です。

GAS(ゲートアソートシステム)

GASは、商品のサイズや形状に基づいて自動的に仕分けを行うシステムです。商品に記載されているバーコードをセンサーが読み込むと、仕分け先のゲートが開き、指定された経路に振り分けられます。そのため、作業効率の向上や配送先のミスの軽減の実現が可能です。

SAS(シャッターアソートシステム)

SASは、商品が通過する間にシャッターが設けられており、自動的に開閉して商品の経路を変更するシステムです。遮断している時間やシャッターのタイミング調整、形状や大きさの違いなど、さまざまな条件に迅速に対応できます。

また、GASは商品を投入するゲートが1度に1つしか開きませんが、SASは1度に複数のシャッターが開くのが特徴です。多様な顧客のニーズに対応できる上、作業効率の向上も期待できます。

ソーターシステム

ソーターシステムは、コンベアを使って商品を高速かつ正確に仕分けするシステムです。商品の種類別や配送先別など、大量の商品を短時間で処理する能力があるため、大規模な物流センターでよく利用されています。

仕分け作業のシステム化に最適な機器の種類

仕分けシステムに加えて、システム化機器の導入も進んでいます。これらは、商品の取り出しや配置を自動で行い、作業効率をさらに向上させます。

アーム式

アーム式ロボットは、自由度の高い操作が可能で、複雑な形状の商品や繊細な扱いが求められる商品に適しています。センサーやカメラで商品を認識して作業を行うため、高精度で多様性に対応できるのが特徴です。AMRなどと組み合わせると、ピッキングだけでなく、搬送までの流れも効率化することができます。

レール式

レール式ロボットは、天井や床に設置されたレール上を移動し、指定された商品をピッキングします。効率的な動線管理が可能で、大量の商品のピッキングに適しています。

AGV

AGVは、床に設置されたガイドラインやセンサーに沿って自動で移動するロボットです。倉庫内で商品を搬送や、指定された位置でのピッキング作業を行います。自動的に移動するため、作業効率や生産性の向上などの効率を向上させます。他のシステムと連携させれば、更に物流作業全体の効率を高めることも可能です。

仕分けシステムのメリット・デメリット

仕分けシステムは、多くのメリットを期待することができますが、導入するにあたっては、課題も存在します。仕分けシステムのメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット

まずは、メリットから解説していきます。

業務の効率化

仕分けシステムにより、商品の仕分け作業が大幅に効率化されます。作業速度が飛躍的に向上し、商品の処理量を増加させることが可能です。

ミスの削減

人手による仕分け作業では、どうしてもミスが発生するリスクがあります。しかし、仕分けシステムは正確なデータに基づいて動作するため、ヒューマンエラーによるミスの発生を最小限に押さえることができます。

人件費・物流コストの削減

仕分けシステムの導入により、必要な人員数が減少し、人件費の削減が可能です。また、システムによる効率化により、物流コスト全体の削減も期待できます。

デメリット

続いて、デメリットを解説していきます。

導入・運用コストがかかる

仕分けシステムの導入には、高額な初期投資が必要です。また、システムの導入後には、安全に運用するために必要なメンテナンスコストが発生します。これらのコストは、企業の予算や事業規模によって異なるので、導入前にしっかりと検討することが大切です。

トラブル対策が必要

仕分けシステムは、機械やソフトウェアのトラブルが発生した場合、業務に大きな影響があることを考慮する必要があります。業務自体が停止してしまう可能性もあるので、定期的なメンテナンスやトラブルシューティング体制の整備が重要です。

設置スペースの確保

仕分けシステムを導入するためには、適切な設置スペースが必要です。既存の物流センターに導入する場合、スペースの確保やレイアウトの再設計が求められることがあります。一度設置してしまうと、レイアウトの変更が難しいこともあるので、設置する場所に適した仕分けシステムを選ぶようにしましょう。

全ての作業をシステム化できるわけではない

仕分けシステムは、非常に効率的ですが、全ての作業を完全にシステム化できるわけではありません。特定の複雑な作業や、柔軟な対応が求められるシーンでは、人手による介入が必要となる場合があります。これにより、システムと人間の作業のバランスを保つことが重要です。

自動仕分けをする場合のポイント

仕分けシステムを導入する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが、成功の鍵となります。以下より、押さえておくべきポイントを解説していきます。

適切な現状分析

仕分けシステムを導入するにあたって、適切な現状分析は欠かせません。当面の仕分けプロセスを詳細に分析し、どの部分をシステム化するべきか明確にすることが重要です。そうすることによって、最適なシステムを検討し、業務効率の最大化を行うことができます。 

適切なシステムの選定

仕分けシステムは、さまざまな種類があるため、センターの種類や規模に応じて、適切なシステムを検討することが重要です。各システムの特性や導入コストを比較し、自社のニーズに最適なシステムを導入することで、期待した効果を長期的に得ることができます。

人材の教育

仕分けシステムの導入に伴い、新たなシステムを運用するための人材教育が必要です。自動システムの運用方法やトラブル時の対応方法など、運用をしていくための仕組みをしっかりと構築しておくようにしましょう。

まとめ

仕分けシステムは、物流業務の効率化とコスト削減に大きな貢献をします。導入をすることで、さまざまな効果を期待できますが、慎重な検討が必要です。企業が競争力を維持し、顧客満足度を向上させるためには、適切な仕分けシステムを選び、上手く活用しましょう。

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PAL編集部

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