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構内作業の自動化で指示書4,000枚削減。社内での流通部門への関心が高まった、物流改革の裏側

イオンフードサプライ株式会社

CLIENT

社名 : イオンフードサプライ株式会社
業種 : 食品メーカー
従業員数 : 2000名~
背景・課題
  • 2024年問題によるドライバー不足と、物価・賃金高騰によるコスト増が深刻化
  • 現状維持の「改善」程度では追いつかず、抜本的な「改革」が必要と判断
PALを選んだ理由
  • 「機械」の販売ではなく「現場オペレーション」を提案する姿勢
  • PALが設備・システムを一体で提供するスキームにより、初期投資リスクを最小化
実施内容
  • PALセンターでのPoC(実証実験)を経て、新棟へGTP・t-Sort(ティーソート)を本格導入
  • グループ標準ではなく、生鮮物流のリードタイムに適したPALの輸配送管理システム「DTS」を選定
成果
  • 指示書が1日4,000枚削減、棚卸し工数も大幅に削減
  • 「不人気部署」から社内公募での異動希望が増える「人気部署」へ変貌

INDEX

イオングループの製造機能会社として、年商約2,500億円規模の生鮮産品・デリカ製品の供給を担うイオンフードサプライ株式会社。畜産分野では日本一の供給量を誇り、グループ各社へ日々の食を届けています。

物流業界に2024年問題やコスト高騰の波が押し寄せる中、同社は現状維持の「改善」ではなく、抜本的な「改革」が必要と判断。約20年来のパートナーであるPALと新たに「DX包括契約」を締結し、新棟での「構内自動化」と、生鮮配送に特化した「輸配送DX」の同時推進に踏み切りました。

その結果、紙の指示書1日4,000枚の削減に加え、かつての不人気部署が社内公募で希望者の集まる「人気部署」へと変貌。今回はハンドリング部流通担当の谷澤様に、グループ標準ではなくPALのシステムを選んだ決断の背景や、初期費用ゼロでDXを実現するPAL独自の投資モデル、そして変革の成果についてお話を伺いました。

2024年問題とコスト高騰には、改善ではなく「改革」が必要だった

──PALとの関係はいつ頃から始まったのでしょうか?

PALさんとの関係は約20年前、当時の中部センターの畜産部門から始まりました。その後、南関東センターにも展開し、長期的なパートナーシップを築いています。南関東への展開のきっかけは、当時委託していた会社からの大幅な値上げ要求でした。

それ以前も構内運営の品質に課題があり、委託先の変更を繰り返さざるを得ない時期もあった中で、中部センターで実績のあったPALさんにお願いすることになったのです。

──長年のお付き合いがある中で、近年になって「改善」ではなく、抜本的な「改革」に踏み切った背景には、どのような課題があったのでしょうか?

やはり2024年問題によるドライバー不足です。物流が成り立たなくなるという強い危機感がありました。加えて、物価高騰や最低賃金の上昇も深刻です。2030年には時給1,500円が目標とされる中、このままではコスト圧迫が避けられない状況でした。

──なぜ、積み上げの「改善」ではなく、抜本的な「改革」が必要だと感じたのですか?

「改善程度のことでは、目に見えて追いつくわけがない」と判断したからです。現状を肯定した上での改善では限界があります。「どこかでガラッと思い切ったことをしないと会社が成り立たなくなる」。そういった危機感を抱いていたタイミングで、ちょうど「クラフトデリカ」の新棟建設の話が持ち上がりました。そこでPALさんの自動化への取り組みを見学させていただき、「これで挑戦したい」と決断したのです。

PALを選んだ理由は、現場起点の運用提案と、初期投資ゼロの独自モデル

──さまざまな選択肢がある中で、なぜPALを選んだのでしょうか?

「構内の自動化」と「運送のデジタル化」の両方を成功させるには、単にシステムを入れるだけでなく、現場の運用そのものを作り変える必要があったからです。 その点において、PALさんの最大の強みである「機械を売るのではなく、オペレーションを提案してくれる」という姿勢が、私たちのニーズと合致しました。

──PALの現場責任者や担当者をどう評価していますか?

現場責任者の方々のスキルが非常に高く、「よくこれだけの人材を集めるな」と感心しています。逆にPALさん側から教えられることも多く、私たち自身の知識不足を痛感させられるほどです。

また、今回のような大きな改革を進めるにあたっては、PALさんの戦略担当の方の存在も大きかったですね。元商社出身の方など、非常に戦略的な提案力があり、社内調整の面でも助けられました。

──導入の決め手として、PAL独自の投資スキームも大きかったと伺いました。これは具体的にどのような仕組みだったのでしょうか?

今回は、設備の購入・導入にかかる費用をPALさんが負担し、当社は初期投資ゼロでスタートできました。ボイスピッキングなどの設備も含めてPALさんが投資・実装を担い、私たちは必要な情報連携を行うだけで運用を始められる仕組みです。

設備を買うための初期費用はPALさんが負担し、私たちは毎月の業務委託費を払ってそれを利用します。私たちにとっては「初期投資ゼロで、現場の生産性が上がり、結果としてコスト削減も実現できる」というメリットがあります。この柔軟なモデルのおかげで、リスクを最小化して導入に踏み切れました。

PoCから新棟導入へ、構内自動化と運送デジタル化を同時推進

──構内の自動化は、どのような流れで進めたのでしょうか?

まずPoC(概念実証)として、一部の業務をPALさんのセンターに持ち込み、そこで自動化ラインを運用して成果を確認しました。その実績をベースに、クラフトデリカ新棟の立ち上げに合わせて、GTPとt-Sort(ティーソート)を本格導入したのです。

当初は設計上の課題で誤仕分けが発生した時期もありましたが、PALさんと共に改善を重ね、現在はほぼゼロに抑えられています。GTPの導入により、紙の指示書削減や日次棚卸しの自動化が実現しました。

──運送のデジタル化(TMS)にも取り組んでいると伺いました

はい、DX包括契約の一環として着手しました。実は、イオングループ全体の方針としては、グループ標準のシステムを導入する流れがありました。しかし、それは主にドライ食品(常温)向けに最適化されたものだったのです。

──あえてグループ標準ではなく、PALのシステムを選んだ理由は何だったのでしょうか?

生鮮物流とドライ物流の特性の違いです。ドライ食品は比較的荷下ろしに時間をかけられますが、鮮度が命の生鮮食品は、朝の2〜3時間で配送を完了させなければなりません。このシビアなリードタイムに対応するには、PALさんの輸配送管理システム「DTS」の方が適していると判断しました。

当然、グループの方針とは異なるため社内決裁では苦労しましたが、PALさんの戦略担当の方に資料作成やロジック構築を支援していただき、最終的にトップの承認を得ることができました。現在は、店舗担当制を廃止した「適正配車システム」の構築に向け、配送会社も巻き込んでシミュレーションを進めています。

工数削減だけでなく、流通部門への関心が高まった

──構内自動化やTMSの導入によって、定量的にはどのような成果が得られましたか?

定量的な面では、紙の指示書が1日4,000枚削減され、日次棚卸しの工数も大幅に削減されました。在庫データがクラウド上でリアルタイムに確認できるようになったのも大きいですね。PALさんの自己投資モデルのおかげで、これらを初期投資なしで実現できました。

──数字には表れない変化もあったと伺いましたが?

これが一番の成果かもしれませんが、流通部門が「スマートな部署」として認知されるようになりました。以前は「汚れ仕事」というイメージを持たれがちでしたが、自動化ロボットが動く先進的な現場を見て、「物流も面白い」と感じる従業員が増えました。

その結果、以前は不人気だったこの部署へ、社内公募で異動を希望する従業員が増加したのです。今では製造部門よりも離職率が低いほどです。また、グループ各社が視察に訪れる「広告塔」のような存在にもなり、社内外から注目を集めています。

──今後、PALと共に実現したいことは何でしょうか?

物流DXをさらに推進し、組織・人・プロセスの変革を実現したいと考えています。物流業界の地位を上げ、「エッセンシャルワーカー」としての誇りを持てる業界にしたい。そのためにも、中小の運送会社様とも「ライバルではなく仲間」として連携を強化し、業界全体の底上げを図っていきたいですね。

PALさんとは、現在進めている適正配車システムをあと1年程度で完成させ、さらなる改革を進めていきたいと思っています。

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