2024年問題の「荷待ち時間」を減らすデータ活用

2024年問題の「荷待ち時間」を減らすデータ活用

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はじめに

配送センターの周りにずらりと並ぶトラックの列。
私たちが現場を訪れると、そんな光景をよく目の当たりにします。

2024年問題による危機感が募る一方で、なぜこの待機時間は解消されないのでしょうか

実は、多くの荷主企業において、
配送センターを出発したトラックの運行状況がブラックボックス化しているケースは少なくありません。
この課題を乗り越えるために必要なのは、高額なシステムを入れることでも、
グラフを綺麗に「見える化」することでもありません。

経営と現場が運行データという「共通の定規」を持つこと。

これこそが、この問題を解決する確実な一歩なのです。

見えない運行実態がもたらす経営リスク

2024年問題」の本質は、単に「法規制により、トラックが走れなくなる」という、
人手不足の課題だけではありません。

その根本にあるのは、問題の主因である「長時間の荷待ち」という実態を、
荷主企業が構造的に把握できていないという点にあります。

なぜ、現場の待機時間は一向に減らないのでしょうか。

理由は、極めてシンプルです。
どの拠点で・どの時間帯に・どれだけの待機が発生しているのかという
「事実」がどこにも記録されていないからです。

この運行データが見えない状態では、

  • 倉庫のレイアウトや動線に無理があるのか
  • 配車の組み方に根本的な原因があるのか

といったボトルネックの所在を特定することができず、経営的な解決に向けたスタートラインにすら立てません。
もしも、運送会社から「荷待ちを改善してほしい」と要望を受けても、
荷主側は社内の協力を仰ぐことも、具体的な改善策を立てることもできないのです。

このように、実態がブラックボックスのまま放置すること。

それこそが、パートナー企業との実効性のある連携を阻み、
2024年問題への本質的なアプローチを遅らせてしまう最大の経営リスクなのです。

アナログな運行管理が奪う現場の生産性

運行状況が可視化されていない現場で、最も頻繁に行われているのが「ドライバーへの電話確認」です。

「今どのあたりを走っていますか?」 
「あとどれくらいで着きそうですか?」

このように、遅延の問い合わせや倉庫側の受け入れ準備の確認が必要になるたびに、
配車担当者はドライバーに電話をかけます。

しかし、当然ながらドライバーは運転中です。
すぐに電話に出られるはずもなく、お互いに「かけ直す」手間が発生し、
気づけば不在着信を何度も往復させることになります。
これこそが、データという「共通の定規」を持たないアナログな運行管理がもたらす実務の限界です。

運行状況がリアルタイムに共有されていれば、
こうした確認のための電話やかけ直す手間も根本から解消されます。
これにより、現場に生まれる時間の余白は、ドライバーが「より安全な運転」に集中し、
配車担当者が「より確実な受け入れ態勢」を整えるための、価値ある時間へと生まれ変わるのです。

見るためではなく「動くための事実」を。投資リスクを小さくするデータ活用

たった1つの運行データの測定

運行実態の見える化と聞くと、
多くの企業が「社内や運送会社にあるすべてのデータを完璧に揃えなければ」と考えがちです。

しかし、ここに物流DXを停滞させる「見える化の落とし穴」があります。

最初から膨大な指標が並ぶダッシュボードを構築しても、
結局「どこに課題があり、何を改善すべきか」の判断がつかず、報告資料に終わってしまうケースは少なくありません。

大切なのは、経営や現場が最も頭を悩ませている「ボトルネック」にフォーカスし、
その事実を1つだけデータとして捉えることです。
たとえば、日々不在着信が往復しているルートに絞り、その運行データだけを測定してみる。
この「たった1つの事実」が明らかになるだけでも、
無駄な確認連絡をなくし、お互いに納得のいく交渉や業務改善へと繋がっていきます。

複雑なシステムを構築する前に、解決すべき課題を絞って業務上の価値を実証する。
私たちは、このプロセスこそが、投資リスクを最小限に抑え、現場の運用に無理なく定着する方法であると考えています。

まずは、ドライバーのスマホなどを活用して、
目の前にある1つのボトルネックを解消する「最初の定規」を揃えることから始めてみませんか。

おわりに

運行実態の「見える化」とは、膨大な数字を確認することではありません。

運行データを経営と現場をつなぐ「共通の定規」として確立し、
その事実に基づいて、合理的に輸配送の適正化を推進する取り組みです。

まずはドライバーのスマホを活用して、課題のあるルートのデータを測定すること。
そこをスタートラインに定めることが、2024年問題へのアプローチを遅らせない鍵となります。

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